なぜだろうか、、、今回の展覧会のことを考えた時、
仏教の儀式で行われる「散華」の様子が頭をよぎった。
桜の季節が終わった直後だったからだろうか。
それとも親しい友のお腹にできた腫れ物を一掃したいと
思っていたからだろうか。

意味もほとんどわからない読経が流れ、堅苦しい感じを受ける
仏教の儀式の中、大勢の和尚様達が本堂の中を練り歩きながら
美しい姿の仏様や花が描かれた紙製の花びらを蒔く。
その一瞬は、長い寒い冬を孤独に耐え、春を待ちわびて気候が
緩んだかと思うと一斉に咲く桜、そして一斉に散る桜を連想させる。我が家にある桜の大木にしてみれば、飛び舞う花びら1枚は、身体のほんの一部であり、一瞬の出来事。
別れというよりは離れ無くなってこそ、又新しい息吹が始まる印。
地球上で生きている私達も地球からすれば、花びら1枚と同じ。
そしてその一瞬にはかなさも永遠をも感じる。
命の息吹は、絶え間なく繰り返され常に生まれ変わる。

「散華」という行為は、花びら1枚に無常な美しさを見、
命が循環し浄化される事を象徴しているのだろうか。


2006,5月 吉日


 
Copyright (C) 2002-2010 Tomoko ISHIDA. All Rights Reserved.